読売の速報。「F35、次期主力戦闘機に…最新ステルス機」。
誤報だと思っていたが、どうもそうではないらしい。亡国の決定である。
そもそも、F-35の日本向け初号機が納入されるのはいつか。
早くて2022年、10年後であり、さらに遅れる可能性が非常に高い。
先週、12月6日のFlightGlobalに、「F-35 production rate - can Israel wait?」というエントリーが載った。
イスラエルはF-35の優先顧客順位1位の国だ。それですら、こういう状態になり、購入をキャンセルする可能性が出ている。
日本は仮に16日に購入を発表しても、優先顧客順位はシンガポールのあと、第3位だ(確認していない購入先があるかもしれないので、順位は下がる可能性がある)。
さらに、納入されたから、すぐ使えるかというと、決してそういうものではない。アメリカですら、実戦配備は17年から(予定)になっている。これはシステムの検証もコミの時間だが、過去の例からいって、転換には4年程度かかるだろう。そうすると……実戦配備は2026年以降だ。それまでF-4EJ改を延命させられると、本気で思っているのだろうか?
だいたい、FX選定基準には、納期が明記されていたんじゃないのか? 実際に見ていないから確実じゃないが、16~17年に納入という条件がはいってたと記憶している。
価格はどうか。本体と交換部品だけでだいたい150億(英語版wikipedia)。これに開発費の負担がの載っかってきたり(公式にはそういうことはないといっているが、もちろんほかの名目で載せてくる)、国産対空ミサイルが使えないため、その装備代金などをふくめれば、ざっくり200億近くになるだろう。ユーロファイターのほぼ2倍だ。
あと、ステルス機特有の、メンテ代の高騰っていうのもあったな。F-22だと、飛行1時間あたり4万ドル以上だった。こういう運用費をふくめると、軽く200億をこえるな。
性能は……ほぼあらゆる点で、ユーロファイターのほうがすぐれている。F-35が優勢なのはステルス性だけだが、前からいっているとおり、戦闘機にステルス性能は不要だ。
空自は情報管制能力の高さをあげているみたいだが、これはユーロファイターでも同等程度。たんにUIが見やすくなっただけにすぎない。
にもかかわらず、F-35を選定したのは、国防をになうより、「最新鋭機を持つほうを優先したい」という幼稚な体質が、空自幹部のあいだにのこっているからにほかならない。F-22のとき、複数の幹部がそういう発言をしているのを見て、慄然としたが、今回もまったく反省がなかったようだ。
性能・価格・条件のすべての面で、選定されて当然なのはユーロファイターだ。軍事航空をちょっとでも囓ったことのある人間なら、素人をふくめて、だれも異論がないはずだ。
にもかかわらず、11月の決定が遅れたと聞いて、空自幹部が「新しいおもちゃ」ほしさに、F-35にするための強引な理屈を考えているんじゃないかと、いやな予感はしていたが。まさか最悪のケースが現実になるとは。
日本の防空体制は、これで終わりだな。
【追記】
雑誌『選択』で「FX選定 防衛省のお粗末ステルス偏重のゆがんだ欲望」という記事がアップされた。私の知るかぎり、ここに書いてあることはすべて正しい。私も最初に「亡国の決定」と書いたが、まさにそのとおりだ。
もしかすると、疑獄事件に発展するかもしれない。そのくらい不自然すぎる。
誤報だと思っていたが、どうもそうではないらしい。亡国の決定である。
そもそも、F-35の日本向け初号機が納入されるのはいつか。
早くて2022年、10年後であり、さらに遅れる可能性が非常に高い。
先週、12月6日のFlightGlobalに、「F-35 production rate - can Israel wait?」というエントリーが載った。
イスラエルはF-35の優先顧客順位1位の国だ。それですら、こういう状態になり、購入をキャンセルする可能性が出ている。
日本は仮に16日に購入を発表しても、優先顧客順位はシンガポールのあと、第3位だ(確認していない購入先があるかもしれないので、順位は下がる可能性がある)。
さらに、納入されたから、すぐ使えるかというと、決してそういうものではない。アメリカですら、実戦配備は17年から(予定)になっている。これはシステムの検証もコミの時間だが、過去の例からいって、転換には4年程度かかるだろう。そうすると……実戦配備は2026年以降だ。それまでF-4EJ改を延命させられると、本気で思っているのだろうか?
だいたい、FX選定基準には、納期が明記されていたんじゃないのか? 実際に見ていないから確実じゃないが、16~17年に納入という条件がはいってたと記憶している。
価格はどうか。本体と交換部品だけでだいたい150億(英語版wikipedia)。これに開発費の負担がの載っかってきたり(公式にはそういうことはないといっているが、もちろんほかの名目で載せてくる)、国産対空ミサイルが使えないため、その装備代金などをふくめれば、ざっくり200億近くになるだろう。ユーロファイターのほぼ2倍だ。
あと、ステルス機特有の、メンテ代の高騰っていうのもあったな。F-22だと、飛行1時間あたり4万ドル以上だった。こういう運用費をふくめると、軽く200億をこえるな。
性能は……ほぼあらゆる点で、ユーロファイターのほうがすぐれている。F-35が優勢なのはステルス性だけだが、前からいっているとおり、戦闘機にステルス性能は不要だ。
空自は情報管制能力の高さをあげているみたいだが、これはユーロファイターでも同等程度。たんにUIが見やすくなっただけにすぎない。
にもかかわらず、F-35を選定したのは、国防をになうより、「最新鋭機を持つほうを優先したい」という幼稚な体質が、空自幹部のあいだにのこっているからにほかならない。F-22のとき、複数の幹部がそういう発言をしているのを見て、慄然としたが、今回もまったく反省がなかったようだ。
性能・価格・条件のすべての面で、選定されて当然なのはユーロファイターだ。軍事航空をちょっとでも囓ったことのある人間なら、素人をふくめて、だれも異論がないはずだ。
にもかかわらず、11月の決定が遅れたと聞いて、空自幹部が「新しいおもちゃ」ほしさに、F-35にするための強引な理屈を考えているんじゃないかと、いやな予感はしていたが。まさか最悪のケースが現実になるとは。
日本の防空体制は、これで終わりだな。
【追記】
雑誌『選択』で「FX選定 防衛省のお粗末ステルス偏重のゆがんだ欲望」という記事がアップされた。私の知るかぎり、ここに書いてあることはすべて正しい。私も最初に「亡国の決定」と書いたが、まさにそのとおりだ。
もしかすると、疑獄事件に発展するかもしれない。そのくらい不自然すぎる。