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パーツ館にようこそ
 前回のつづき。

 そーいえば、なぜ気仙沼かというと、「大宝」さんのマスター、つまり師匠が大学を出たあと社会人野球のチームを数週間でやめて、最初に中華の修行に出た先っていうのが、気仙沼にあった名店だったから。このチャーミンはまるごとそこの味とのことでした。

 ということで、この麺の処理その2。しばらく熟成させて、食べる日になったら、こんどはゆでる番。

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 とはいえ、ふつうにたっぷりのお湯をわかして、この麺を投入するだけなんだけど。ゆで時間がじつはむずかしい。ゆですぎるとコシがなくなるし、堅いとかなりばりばりしてしまう。

 さいわい、この麺はゆで時間もわかりやすくて、湯が沸騰したら投入、再び煮立ったら吹きこぼれない程度の中火にして3分半、合計4分でOK。これを素早くとりだして、ざるにあげて軽く水をかけて粗熱をとり、あとはざるのまま水分を落とす。

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 すると、こうなって、あとひと手間。見てわかるように、麺はつねにまるくまるくまとめておくと、へんに延びたり乾いたりしないでいいらしい。このへんは経験則なんで、理由は不明。

 あとはフィニッシュの準備で、あんかけの材料から。

 具材は、メインの白菜はざく切り、たまねぎは薄切り。にんじんは中華でいう片(ペン)に切って水煮にしておく。中国たけのこも片。緑色はチンゲン菜とかピーマンとか、適当に。キクラゲはお湯でもどして適当な大きさにちぎる。

 タンパク質は豚肉の小間、うずら卵の水煮が必須で、あとコウイカの中華飾り切り、小エビなどを適宜。紅かまぼこも色どりで入れる。

 ほかに、熱い鶏がらスープを200~300ml、水溶き片栗粉を適宜。ここでのコツとしては、片栗粉は水に溶いて最低でも1時間くらい置くと、使うときによくなじんだりする。

 調味料は醤油、酒、塩、味の素、こしょうを適宜、あらかじめ合わせ調味料にしておく。ほかにゴマ油も適宜。

 ここまで用意したら、フィニッシュにかかる。

 まず、麺のフィニッシュはとーぜんながら、炒め。チャーミンですから。

 北京鍋(中華鍋でも可)をうまく熱して、油をよくなじませる。口でいうのはかんたんだけど、これがじつに微妙でむずかしい工程だったりして。きれいに掃除した鍋に、油を3入れて熱していわゆる油まわしをして、さまし、これを3~4回くりかえさないと、いいコンディションにならない。

 で、いいコンディションにしないと、麺がくっついて悲惨なことになる。いちばんのコツは、この鍋の用意かも。

注:油まわしの方法。鍋をよく熱して油を100mlくらい入れ、180゚Cくらいになったら火を止めて、鍋全体になじむようにゆっくりまわす。温度がさがってきたら、いったん油を油こしにとる。これをワンセットとして、3~4回くりかえすと、油が鍋肌にいい感じにコーティングされて、麺がくっつかなくなる。

 鍋の準備ができたら、ふたたび加熱して熱々になったところで麺を投入する。

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 ほら、ぜんぜんくっつかないでしょう。こうするのがコツ。で、麺は軽くほぐして、いわゆる「炒めつける」ようにする。鍋をまわしながら油を適宜足しながら、軽く焦げ目がつくようにするのね。

 で、つづいてこれを鍋を振ってひっくりかえし、のこり半面も同じように炒めつけ、きれいに焦げ目がついたら、さっとほぐして、皿にとり、これで麺はできあがり。

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 つづいて、あんかけづくり。上の写真には、一部タンパク質と、水溶き片栗粉も写ってますが。

 あんはかんたんで、セオリーどおり、まずタンパク質系にそれぞれ(つまりべつべつに)火を通して、皿かボウルにとる。同じ北京鍋でやれば、具材も鍋肌にくっつかないので便利。次は野菜で、これはとにかくできるだけ強火にして、短時間で火を通す。

 ここに熱い鶏がらスープを入れて、煮立ったらタンパク質をもどし、合わせた調味料を投入。味見をして全体を微調整。だいじなのは、鶏がらスープを熱しておくこと。これがぬるいと、いっぺんで味が悪くなるので、とくに注意かな。もちろん、これも調理の基本なんだけど。

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 こんな感じで。で、水溶き片栗粉はよぶんな水分がはいらないよう、指で片栗粉を掻きあげるようにして鍋にまわしいれ、とろみを整える。そして、最後にゴマ油適宜をくわえて、火を止めて、おしまい。

 これをただちに麺にかけて、熱々で食べるのがいい感じ。

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 この日はつけあわせが大きなシューマイだったようで。チャーミンはもちろんそのままでも完全に味がついてるけど、好みで酢をかけたり、ウスターソースをすこしかけるのもあり。

 そういうわけで、すごく手間がかかるのはたしかだけど、そのぶんおいしいので、1週間かけて準備するつもりでつくってみるといいんじゃないでしょうか。うちでは、だいたい月曜か火曜に麺を蒸して、食べるのが金曜日かな。そのくらい。

2019.12.07(14:37)|人生を語るコメント:(2)TOP↑
 炒麺と書いてチャーミンと読む。チャオミンとも。よーするに焼きそばです。

 なんでそれがカテゴリー「人生を語る」かというと、うちでふだん食べているチャーミンが、どうも絶滅危惧種になっているらしいと気づいたから。これは後世に伝えないとということで、人生がらみにしたしだい。

 で、どーいうチャーミンかというと、こういうもので。

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 いわゆるあんかけ焼きそばで、麺が特殊な深蒸し。ところがこの組み合わせ、ネットでいくら探しても出てこないことが判明したんですよ。15年前くらいまでは、気仙沼あたりにのこってたんだけど、いまはこんなのしかのこってないというていたらく。

 まあ、いまはこうなんだろうけど、その昔、気仙沼にはこういうチャーミンがあったのですよ。

 また、いわゆる東京焼きそばの一種にも、これと同じものがあったんだけど、それも絶滅したもよう。

 たしかに、つくるのにかなりの技術とコツが必要だから、継承されなかったとしてもふしぎはないんだけどね。

 これを習ったのは、43年前。当時務めていた(バイトだけど、修行していたともいう)京王線府中駅前の名店『大宝』の人気メニューだったのでした。ちなみに、この店は12年ほど前に閉店したけど、経営者ご夫妻はいまも府中で健在です。

 ほんと、うまいんだよねー。うちでは、ソース焼きそばが食卓にのぼることはないけど、これは年に4回くらいはつくって往事をしのんでます。

 ということで、つくりかた。

 まず、麺の用意。

 麺は市販のチルド麺なら、基本的になんでもOKなはず。ただ、ここ15年くらいは日清の「ラーメン屋さん しょう油味」を使ってたんだけど、これが圧倒的に変質して不適切になったので、ここ2回ほどはマルちゃんの「3食麺、醤油」を使っている。

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 これです。ごくふつうのやつ。でも、これがいま売ってるものでは、鹹水の量と太さがちょうどいいみたいだし、調理時間も把握しやすいので、たぶんベスト。

 これを蒸し器に入れて、調理開始。

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 入れ方はこんな感じで、なんというか、円形で高さを均等にするのがコツ。そうしないと蒸しむらができるので。3食入りだけど、ここで使用しているのは2玉。

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 蒸すときは原則にしたがって、水滴が麺に落ちないよう、ふきん・手ぬぐいでケアします。これに火がつかないよう、中火で蒸すのが、これもコツ。

 蒸し時間は麺によって大きく異なって、太いほど、鹹水が少ないほど時間がかかるらしい。今回の麺はその点がわかりやすくて、蒸し器のお湯が沸騰したら麺をならべて、写真のようにセットして中火で40分。

 そうするとねえ、ごくふつうの麺がこんなになるんですよお。香ばしくてそれだけでもうまそうだけど、この段階では食えません。

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 これに似たやつで、「深蒸し麺」みたいな名前で市販しているやつもあるけど、これはいってみればそれの原型です。

 昔は東京下町の焼きそばもこーいうのが主流だったんだけど、いまではすっかり少数派みたいで。ちなみに、その頃の焼きそばっていうと、醤油味が当然で、ソース焼きそばっていうのは子供の食い物だったのでした。

 閑話休題。

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 蒸しあがったら、これをいったんざるにとります。水分がぬけてけっこうバリバリなので、ちぎれないように気をつけながら蒸し器からとりだすのも、コツといえばコツ。

 この状態のものをたっぷりの油で揚げると、いわゆる深蒸し揚げ焼きそばの麺になるけど、それはまたべつの食べ物ということで。

 次はこれをざるごと濡れふきんでつつんで、こーいうかたちに。

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 ふきんはかたく絞って、水滴が麺にかかったりしないようにするのがコツ。要するに、麺がこれ以上は乾かないようにするわけです。昔の「大宝」さんでは、この25倍の量でつくってたから、茶色い油紙でつつんでたけど、家庭ではこれでいいでしょう。きっと。

 この状態で、冷暗所に置いて、3~4日ほど麺を熟成させます。ぢつは、すごく手間のかかる食い物だったりするのです。

 夏は念のため冷蔵庫に入れるけど、それ以外のシーズンは室温でいいはず。うちでいちばんの冷暗所というと、玄関なので、写真はそこに置いた図。

 なお、熟成させているあいだは、麺が乾燥しないよう、ふきんに定期的に湿気を与える必要があります。これもコツ。

(つづく)

2019.12.07(12:17)|人生を語るコメント:(0)TOP↑
パーツ館より

yogarashi

Author:yogarashi
2011年11月より、シーズン3の営業をはじめました

2007年~2011年のシーズン2はこちら
2004年~2007年のシーズン1はこちら

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